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まぎのPC話

第2回 PCと私(その2)

初めてのマイPC:NEC PC-9821Ce2


大学の講義でPCを使い始めて数ヶ月。ついに自分のマシンを持つことができた。 それは、当時最も売れていた系統である、NEC製の98シリーズのマシンであった。 98MultiシリーズのPC-9821Ce2である。 98シリーズに詳しい人なら知っているかもしれないが、Multiシリーズは初代CanBeの1世代前の機種だ。 今でこそ「くず」「ごみ」「もう捨てろ」とまで言われる哀しい機種であるが、当時はそこそこイケてるマシンだったのだ。 (周囲ではCPUが80386とか言っているのに、この機種は80486を積んでいた。)

初めて買うというだけあって、スペック表を見てもなんのことやらサッパリわからない。 とりあえず、ちらしには「オールインワンパソコン」と書かれていたので、まぁ大丈夫だろうとこれに決めた。 機種を決めたら、次は購入する店を探す。どうせなら安いところで買う方がいいに決まってる。 しかし、私の地元にはパソコンショップなど存在せず、結局家電店で買う他になかった。 当時で約30万円(プリンタ込み)。今なら超ハイスペックPCを組める値段だ。 それでも当時なら安いほう。PCの値段はまだ今ほど値下がりしていない時期だったのだ。

親に買ってもらった新しいPC。家に着くなり、すぐに設置(してもらった(笑))。 セットで買ったプリンタの電源が初期不良だったものの、本体はとても調子がいい。 とりあえず最初のうちはプリインストールされていたWindows 3.1で遊んでいた。 PC本体は買ったものの、使うソフトなど1本も買っていなかった。 モデムも無いので、通信もできず、フリーソフトなんて全然持ってなかった。 (フリーソフトの存在を知ったのは約3ヶ月後。友人にFDで分けてもらったのだ)

いくらか経って、窓だけをいじっているのも飽きてきた頃に、初めてゲームを買った。 当時の私は結構暇人だったので、RPGなんかにハマりたかった。 で、購入したのが「Wizardry 7」。ウィズはFCでよくやっていたから、これにしたのだ。 これがまた、攻略本無しではクリアできない激ムズのゲームだった。

しばらくして、父親が「一太郎」を買って来いと言い出した。 ワープロ専用機が家にあったものの、型が大分古かったし、せっかくPCがあるのだから、ということなのだろう。 当時学生の私は、幾らか割安のアカデミックパックで一太郎5を購入。早速インストールした。 一太郎5はまだ使えるほうだったと今でも思っている。あの買い物は失敗ではなかっただろう。 失敗した!と思ったのは6にバージョンアップした時のこと。 起動時間はめちゃくちゃかかるわ、すぐオチるわ、最悪だった。6を買っても結局5しか使ってなかった。 あの頃からだったのだろうか。バージョンアップの度に重く、使えなくなっていく一太郎を見放したのは。 6.3へのバージョンアップはしなかった。5で十分やっていけるのだから。

それからまもなく、世間のPCは「Windows95」が標準になっていた。 我が家にもNECから「バージョンアップしない?」というDMがきていた。 しかし、ウチの98で窓95がまともに動くとは考えにくかった。 窓3.1ですら重いと思っているウチの98。これに窓95を入れても大丈夫なのか? その時は窓95化を見送った。それは正解だったのかもしれない。

社会人になった私は、この98をかなりグレードアップさせた。 メモリーを32MBに、VRAMを4MBに、そしてLANも使えるようにボードを挿した。 そして、いざ窓95を入れてみると…CPUパワー不足でまともには動かなかったのだ。 おそらく、条件的にみても足りないのはCPUのパワーのみ。 CPUも換えてしまえば良かったのだろうが、すでに時遅し。 これ用のゲタ(CPUアクセラレータ)類はすでにこの世になかったのだ。

このマシンはもうWindows機としてやっていけないのか? もう、DOSゲームマシンとしてしか使えないのか? 人々が言うように、もう捨てるしか道はないのか?

すでに新しいDOS/V機を自作していたので、捨ててしまっても良かったのだ。 だけど、長年使ってきたこのマシンに愛着が沸いてしまい、捨てるに捨てられない。 そうだ!どうせならPC-UNIX化すればいいのでは? UNIXなら、CPUパワーはそんなに必要ないはず。 というわけで、98用のFreeBSDを手に入れた。 いざ、インストール!……しかし、肝心のCD-ROMドライブが認識できなかった。

そして、現在。私の愛機PC-9821Ce2は未だにMS-DOSマシンとして存在している。 しかし、近い将来にFreeBSD化を成功させるつもりだ。

おまけ
以前、私の98君と同じ機種が中古で売られていたのを見た。
そのお値段は、3000円…泣くに泣けない値段だった。

(1999/11/25)

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