社会人になって数ヶ月。もはや私の98君は限界にきていた。 幾度かパワーアップをしてきた98君だったが、所詮はDOSマシン。 メモリが32MBあろうが、VRAM4MBあろうが、窓95は動かない。 外付けZipでのファイル保存くらいしか役に立たなかった。 (それも、ロングネーム非対応。それが16bitOSの宿命。悲しい……) そろそろニューマシン購入を考える時期にきていた。
一度はDOS/V機を自作してみたいと思っていた私。 そこで、どうせ買うならこの際作ってしまおう!ということにした。 資金は約14万円。ちょっと少ないかな?と思ったが、ディスプレイを後日に購入することに。 それでも足りなければ、会社の同僚がグラフィックボードを貸してくれるらしいので、それを借りることにした。 買い物にはその同僚も付いて来てくれるというので、意見を聞きながらパーツを選べる。 彼は昔からDOS/Vユーザーだったので、ちょっと心強かった。 そして、ある土曜日。意気揚揚と秋葉原へ向かった。
その頃の私は純粋なるPC98ユーザーで、DOS/V機など会社で使っていたサテライトくらいであった。 未だ、DOS/Vデスクトップ機をいじったことなど無い。 そんなド素人同然の私が自作しようとしたのは無謀行為だったのかもしれない。
そのころ、CPUはPentiumII 400MHz、Celeron 333MHz、K6-II 400MHz が主流であった。 今後のことも考え、また、組み立てが楽と言われるスロット1マザーにしたかった。 この時点で、CPUはペンティアムII かセレロンに絞られた。 安く済ませるため、CPUをセレロンにしようと考えていたのだが、これは変更せざるを得なかった。 セレロン対応マザーボードが存在しなかったのだ。 (対応と書いてあったマザーも、BIOSアップデートが必要であった。) 仕方なく、ペンティアムII に路線変更。この時点で約1万の見積もり違いが生じた。 (最新の450MHz ではなく、多少値が下がっていた333MHz にした。これでも計画より高値だ)
メモリは最初から128MBを積むことにしていたので、特に問題は生じない。 値段もリサーチしていたのと大差なかった。 CD-ROMドライブは、同僚の勧めで24倍速にした。 32倍速も存在していたが、彼の言葉によると空回りするらしいのだ。
HDDは特に決めていなかった。行き当たりばったりで決めてしまうつもりだったのだ。 他のパーツとの兼ね合いで決めるつもりだった。
キーボードも特に決めてはいなかった。 マウスは、ホイール付きならどれでもいい、って感じでいた。 今にして思うと、かなり計画性の無い買い物だったようだ(笑)
サウンドボードは、ツクモ電機で見つけた激安ボード。 とりあえず動けば良い、という感じだったのだ。 サウンドには後々に金をかけるつもりだったので、予算の無い当時ではかなり妥協した買い物だった。
FDDは、PC98君とのデータ互換のため、3モードを選ぶつもりでいた。 そして、3000円くらいの3モードドライブを発見し、それにした。 これが曲者だった。普通、3モードドライブは当時6000円くらいしていたのだ。 ならば、なぜこのドライブは安かったのだろうか? それは、3モード用のデバイスドライバが添付されていなかったのだ。 デバイスドライバが欲しければ別途購入せよ、というのだ。 現在、そのFDDは2モードとして稼動中だ。
ケースは安売りしていたもの。特価1万円。すぐにゲットした。 これは大当たり。ケースを開けるときは横だけを開ければ良いタイプで、中も結構広々としている。 今でも重宝しているケースである。現在のリサーチでは同じタイプが約1万6千円ほどしている。
OSも買わないと、せっかく作ったPCが動かない。 当時、Windows98が発売されて間もなくだった。 なんとなく発売直後のMS製品は信用できなかったので、窓95のOSR2.5が欲しかった。 しかし、どの店にも窓95は置いていなかった。 仕方なく、HDDを買った店でOEM版窓98を購入。
ここまでの買い物で、予算の14万円に到達してしまった。 やはりグラフィックボードは買えなかった。 そこで、同僚のグラフィックボードをしばらく借りることにしたのだった。
にしても、秋葉原は広い。1日歩いて見てまわったが、とても大変だった。 (当時、秋葉原のどこにどんな店があるかなんて何も知らない私であった。) 今まで購入したパーツ類を持ち帰るのも一苦労だったが。
= つづく =
おまけ
購入当時は知らなかったのだが、私のPCパーツの半分以上は、
某教団が運営していたPCショップで買ったものだった。後から知ってショック!
(ついでに言うと、同僚が貸してくれたグラフィックボードもそうだったようだ)
現在は、せっせと交換してパーツの量を減らす努力をしている。
(だって、何か気持ち悪いじゃない?)